He is reclusive

バンライフ、旅、持病のIBS(過敏性腸症候群)、読んだ本などについて

車中泊のライトを白色に変えたら読書がはかどる

2021年12月にバンライフを開始する以前から使っていたLEDランタンが壊れた。LED自体は光るが、充電用のUSB端子が破損してしまい、充電できなくなってしまったのだ。Amazonでほぼ同じ商品を購入したところ、今まで使っていたLEDランタンと比べて照明の色がオ…

バンライファーの私の通販事情 | 基本Amazon 中古本はメルカリ

住所不定のバンライフを始めてからも、通販を多く利用している。基本的にはAmazonのコンビニ受け取りを利用しているが、この方法で受け取れない大型商品や中古本は、家電量販店の在庫取り寄せサービスや、ゆうゆうメルカリ便を使っている。メルカリは、コン…

ヴォルテール読んでーる【読書ノート】哲学書簡、カンディード、寛容論

18世紀フランスの啓蒙思想家「ヴォルテール」の代表作を立て続けに3冊読んだところ、すっかり啓蒙されてしまった。 哲学書簡 (岩波文庫 赤 518-2) 作者:ヴォルテール 岩波書店 Amazon 「哲学書簡」は、ヴォルテールが亡命先のイギリスで目の当たりにした、祖…

部外者としては困惑【読書ノート】明るい炭鉱/吉岡宏高

明るい炭鉱 作者:吉岡 宏高 創元社 Amazon 北海道一周中に訪ねた夕張市石炭博物館で購入した、同館館長が書いた本。炭鉱職員の息子として育った著者は、倶利伽羅紋紋の男たちが命の危険と隣り合わせに重労働をする「暗い炭鉱」のイメージは限られた一時代の…

ウポポイ、面白い

北海道一周中に立ち寄った、白老町にあるアイヌ民族のミュージアム「ウポポイ(民族共生象徴空間)」は、舞踊や楽器の実演などが充実していて楽しかった。また、今春の「全話無料」期間中に一気読みしたゴールデンカムイ(金カム)で描かれていた道具や情報…

「野外排泄は清浄」という考え方も【読書ノート】13億人のトイレ/佐藤大介

13億人のトイレ 下から見た経済大国インド (角川新書) 作者:佐藤 大介 KADOKAWA Amazon 「野外排泄」が当たり前だったインドでは、女性が用を足す際の危険や、人口集中都市の汚染などが課題に。モディ政権は国中にトイレを設置する衛生政策を推進するが、補…

車上生活=不幸とは言い切れない【読書ノート】ルポ車上生活/NHKスペシャル取材班

NHKスペシャル ルポ 車上生活 駐車場の片隅で 作者:NHKスペシャル取材班 宝島社 Amazon NHKスペシャル取材班が「NHKスペシャル」と「クローズアップ現代+」では使いきれなかった素材を書いた本。2つの番組ではシリアスなストーリー展開が求められたようだが…

人間は何事にも慣れる存在だ【読書ノート】「死の家の記録/ドストエフスキー」

死の家の記録 (新潮文庫) 作者:ドストエフスキー 新潮社 Amazon ヴィクトール・フランクルがユダヤ人強制収容所での生活を綴った「夜と霧 新版」のなかで、本書に書かれたドストエフスキーの「人間はどんなことにでも慣れられる存在だ」という言葉が引用され…

自分はまさにHSPらしい【読書ノート】「ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。/エレイン・N・アーロン」

ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。 (SB文庫) 作者:エレイン・N・アーロン,Elain N.Aron SBクリエイティブ Amazon 特に参考になった箇所 ・HSP(Highly Sensitive Person = 敏感すぎる人)は全人口の15〜20%の割合でみられ、ネズミやネコ…

「死」にまつわる著名医師の冒険的な一生【読書ノート】「人生は廻る輪のように/E・キューブラー・ロス」

人生は廻る輪のように (角川文庫) 作者:エリザベス・キューブラー・ロス KADOKAWA Amazon 「死ぬ瞬間-死とその過程について (中公文庫)」の著者として有名で、ターミナルケア(終末医療)のパイオニア的存在である精神科医、エリザベス・キューブラー・ロス…

苦難の克服は誰かの希望になる【読書ノート】「足よ手よ、僕はまた登る/松田宏也」

足よ手よ、僕はまた登る―再起への五〇〇日 (山渓ノンフィクション・ブックス) 作者:松田 宏也 山と渓谷社 Amazon 中国の高峰・ミニヤコンカでの遭難による凍傷で両手の指のほとんどと両脚の膝から下を失った松田宏也氏が、会社員として社会生活に復帰し、再…

「生きる意味」は問うのではなく問われている【読書ノート】「夜と霧/ヴィクトール・E・フランクル」

夜と霧 新版 作者:ヴィクトール・E・フランクル みすず書房 Amazon ナチスの強制収容所から生還したユダヤ系オーストリア人の精神科医(兼心理学者)が、被収容者としての体験を綴った記録。世界的な名著と評されている。数年前に一度読んだことがあったの…

孤独だと過去を思い出してばかりだが、それも良いかもしれない

人と会わない孤独な生活を始めてから、過去を思い出すことばかりしている。新生活の開始直後は、直近のサラリーマン生活について想起することが多かった。それが徐々に大学時代、高校時代、不登校だった中学時代、果てはそれより前の子供時代の記憶まで遡る…

自分はどっち?両方?【読書ノート】「HSPと発達障害/高田明和」

HSPと発達障害 作者:高田明和 廣済堂出版 Amazon 最近、SNSなどでHSP(High Sensitive Person)という言葉をよく目にする。人ごみや、映画などの暴力表現が苦手だったり、聴覚過敏のきらいがあったりする私もHSPに該当するのではないかと思っていたが、HSPの…

極限状態での「怒り」は活力か【読書ノート】「ミニヤコンカ奇跡の生還/松田宏也」

ミニヤコンカ奇跡の生還 (ヤマケイ文庫) 作者:松田宏也 山と渓谷社 Amazon 1982年、中国の高峰・ミニヤコンカ(標高7,556m)に挑んだ松田宏也氏は、19日間の遭難を経て、奇跡的に生還する。疲労、飢餓、凍傷で生死を彷徨うなかでの幻聴体験などが立花隆氏の…

もはや自己啓発書【読書ノート】「続・死ぬ瞬間/E・キューブラー・ロス」

死、それは成長の最終段階―続 死ぬ瞬間 (中公文庫) 作者:エリザベス キューブラー・ロス 中央公論新社 Amazon 参考になった知識 ・インドのヴェーダ(3,000年前のインド最古の宗教の聖典)から、現代の思想家の言葉にいたるまで、哲学者たちの目的はすべて、…

人の死生観は進歩しているのか【読書ノート】「ソクラテスの弁明・クリトン・パイドン/プラトン」

ソークラテースの弁明・クリトーン・パイドーン (新潮文庫) 作者:プラトーン 新潮社 Amazon 「死」あるいは「自死」がテーマの本を読むと、必ずといっていいほど引用されるのが、古代ギリシアの哲学者プラトンが師・ソクラテスの死について書いた一連の作品…

無職がプロレタリア文学を読んだら【読書ノート】「蟹工船/小林多喜二」

蟹工船・党生活者 (新潮文庫) 作者:多喜二, 小林 新潮社 Amazon 「ドン・キホーテ」に続く、今更読む名作シリーズ。賃金労働者の苦悩と反抗を書いたプロレタリア文学の代表作と評される本作を、無職の私があえて読んでみた。 この手の作品を読むと、「自分な…

今にも通じる17世紀のユーモア【読書ノート】「ドン・キホーテ(短縮版)/セルバンテス」

ドン・キホーテ (岩波少年文庫) 作者:セルバンテス 岩波書店 Amazon 17世紀のスペイン人作家であるミゲル・デ・セルバンテスが書いた「ドン・キホーテ」は「史上最高の文学」と評されるだけあって、今も数多くの本のなかで引用・言及されている。以前読んだ…

超常現象への取材姿勢に感心【読書ノート】「臨死体験/立花隆」

臨死体験(上) (文春文庫) 作者:立花 隆 文藝春秋 Amazon 「臨死体験」とは、事故や病気で危篤に陥った人がしばしば体験する不思議な現象のこと。死んだ先祖や神と会話したという人もいれば、魂が肉体から体外離脱して宇宙を自由に飛び回ったという人もいる…

旅への憧憬は60歳手前でも冷めない【読書ノート】「チャーリーとの旅/ジョン・スタインベック」

チャーリーとの旅 作者:ジョン スタインベック ポプラ社 Amazon 1960年、「アメリカ文学の巨人」と謳われる58歳の作家ジョン・スタインベックが、愛犬とともに母国アメリカを旅した記録。ピューリッツァー賞やノーベル文学賞を授かった人気作家が素性を隠し…

自分は親を捨てられるか【読書ノート】「楢山節考/深沢七郎」

楢山節考 (新潮文庫) 作者:七郎, 深沢 新潮社 Amazon 日本人の死生観に言及する多くの本で引用されていて、小説としても名作と評価されている。老人を山に捨てにいく「姥捨山(うばすてやま)伝説」を元にした作品で、老婆「おりん」とその家族らが、村でル…

死が迫る人は何を求める【読書ノート】「死ぬ瞬間/E・キューブラー・ロス」

死ぬ瞬間-死とその過程について (中公文庫 (キ5-6)) 作者:エリザベス・キューブラー・ロス 中央公論新社 Amazon 参考になった知識 ・死が目前に迫った人の精神は(1)否認と孤立→(2)怒り→(3)取引(神との交渉)→(4)抑うつ→(5)受容の5段階を経…

死は穢らわしいのか【読書ノート】「納棺夫日記/青木新門」

納棺夫日記 増補改訂版 (文春文庫) 作者:青木 新門 文藝春秋 Amazon 参考になった知識 ・「納棺夫」という言葉は辞書になく、著者が客からそう呼ばれたのを受け入れていくうちに生まれた造語。 ・死体を綺麗にする「湯灌」はかつて、死者の親族が担うものだ…

IBSを克服した医師が語る【IBS本】「1分で効く!下痢止めBOOK 過敏性腸症候群を自分の力で治す本/加藤直哉」

1分で効く! 下痢止めBOOK: 過敏性腸症候群(IBS)を自分の力で治す本 作者:加藤直哉 径書房 Amazon 参考になった知識 ・健康なバナナ便と下痢便を分ける水分量は、わずか20ミリリットル。成人の1日の排便量は150〜200グラム程度。健康な便の水分量は70〜80%な…

正常な排便に朝は大事【IBS本】「もう通勤電車で下痢にならない!/松生恒夫」

もう通勤電車で下痢にならない! すべてのお腹弱い系を救う40の方法 作者:松生 恒夫 祥伝社 Amazon 参考になった知識 ・正常な排便を促す「大蠕動」は、朝食を食べた約1時間後に特に起こりやすく、この動きは20〜30分しか持続しない。次に起こるのは半日〜1日…

社会は自死を肯定できるか【読書ノート】「自死という生き方/須原一秀」

自死という生き方 (双葉新書) 作者:須原 一秀 双葉社 Amazon 参考になった知識(著者の主張) ・著者を自死に駆り立てたのは、「平常心で死を受け入れることは本当に可能か?」という仮説を「実証」しようとする研究者魂。 ・三島由紀夫の自死は当時、世間か…

神社の建立すら仏教の影響かも?【読書ノート】「神仏習合/逵日出典」

参考になった知識 ・人はもともと、「神」に必要な時だけ降臨を求めていた。人里に神社をつくり、そこに神の常在を求めるようになったのは仏教寺院の影響と考えられる。 ・固有の能力を持つ人格神の登場も、仏教の影響と考えられる。仏像に相応するものとし…

ちょっと苦言【IBS本】「いちばんわかりやすい過敏性腸症候群/伊藤克人」

【読む常備薬】いちばんわかりやすい過敏性腸症候群: もう悩まない! おなかの不調との付き合い方 河出書房新社 Amazon 本のタイトル通り、イラスト多め、文字少なめで「わかりやすさ」に重点を置いている印象。IBS(過敏性腸症候群)の主因が「ストレス」に…

人の死生観は短期間で変わる【読書ノート】「生きる勇気 死ぬ元気/五木寛之 帯津良一」

生きる勇気、死ぬ元気 作者:帯津 良一,五木 寛之 平凡社 Amazon 大変お世話になった高齢の知人が自死を選んだのを知り、高齢者の死生観について考える機会が増えた。私は以前から「人はなぜ生きるのか」といったことを漠然と考えていたが、それは若者特有の…