アラサー隠居

都心のサラリーマンから田舎の山麓に住む「隠居」に転身したアラサー男が、孤独な生活や持病のIBS(過敏性腸症候群)にちなむ体験談、本などを紹介します。

隠居とは アーリーリタイアやセミリタイアとの違い

当初、私のように「若くして、田舎の山麓で就労も就学もせず、静かに暮らす」ことを一言で表現するのに、どのような言葉が適切なのか迷いました。「就労も就学もしない」という意味ではアーリーリタイア(早期リタイア)やニートといった言葉も使うことができますが、「静かに暮らす」、「隠れ住む」という意味を兼ねる場合、やはり「隠居」という言葉選びが適切に思えました。

 

そもそも、「隠居」とはどういう状態を表すのでしょうか。

Weblio辞書に掲載されているデジタル大辞泉隠居(インキョ)の意味や使い方 Weblio辞書)から一部引用すると、

(1)官職・家業などから離れて、静かに暮らすこと。また、その人。

(2)俗世を離れて、山野に隠れ住むこと。また、その人。

とあります。

ドラマの水戸黄門で主人公の徳川光圀が「ご隠居さま」と呼ばれていますが、彼は「(1)官職・家業などから離れて」の定義に該当しています。仮の姿である「越後のちりめん問屋」としても、真の姿である水戸藩主としても現役を退いている設定ですからね。

全国を旅して悪代官を懲らしめる姿は「静かに暮らす」という定義からは程遠いように見受けられますが、「官職・家業などから離れて」という定義を満たしているので、無問題なのでしょう。

 

私の場合は官職も家業も元々、持っていなかったので「(2)俗世を離れて、山野に隠れ住む」の定義に近いと思います。といっても、現代ではインターネットがつながっている限り「俗世」を完全に切り離すことはできませんし、住んでいるのも「人里離れた山奥」まではいかない周辺に民家のある山麓ですから、ちょっと弱いですが…。

もし今後、かねてから興味のある旅などに出る場合は、いさぎよく「隠居人」としての肩書きを返上したいと思います。

 

アーリーリタイアは字面通り、定年より早い時期の引退を指す言葉であり、 「静かに」「エネルギッシュに」といった生活における活動量や、社会接点の大小まで限定していません。アーリーリタイアのなかにも、全く仕事をしない「完全リタイア」と、最低限の生活費を稼ぐために一定の労働を継続する「セミリタイア」があるようです。

いずれも貯蓄や収入源の確保によって「一生涯の生活費」に算段をつけていることが前提にありますから、「当面の生活費」を確保しただけで無職状態にある今の私には、適切な言葉ではありません。

 

色々調べてみると、一時的に労働から離れる「ミニリタイア」という言葉があることを知りました。以下の記事では、Business Insiderが4人のミニリタイア経験者にインタビューしています。

www.businessinsider.jp

ミニリタイアにあたり、雇用主に無給の長期休暇を求めることも一つの選択肢だということが1人の経験者によって示されています。

これは、コロナ禍でメンタルに不調をきたした私にも頭をよぎった選択肢です。ただ、伝統的な日本企業では周囲の理解を得るのが難しいことが想定され、何よりも自分自身が長期休暇の後に「今の会社に復職したい」と思える自信が無くて断念しました。

 

ニートNEET=Not in Education, Employment or Training)は就労・就学・職業訓練のいずれの状態にもない若者を表す言葉で、一つの側面においては、今の私にピッタリな言葉だと思います。

言葉の定義からは外れますが、どうしても「親のスネをかじっている」というイメージがつきまとうので、当初の私は、自分自身による蓄財によって無職を謳歌する「セルフニート」を自称しようと思っていました。

ただ、「セルフニート」という言葉は一般的でないのと、やはり「田舎で静かに暮らす」といった意味までは包有できないので、「隠居」が適当だという結論に落ち着きました。