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隠居の家探し 楽器可・5万円以下の戸建て賃貸物件を見つけるまで

私は今、田舎の山麓にある「平家の戸建てで家賃(管理費・保証料込み)4万6,000円」の賃貸物件に住んでいます。

隠居にしては贅沢な家賃かもしれません。が、「楽器可」という私にとっての第一条件を満たしており、築年数は古いもののリフォーム直後で内装が綺麗。駐車スペースもあり、満足しています。

私自身が今の物件を見つけるまで苦労したので、誰かの参考になればと思い、その経緯をまとめました。「楽器可」を最優先するのは特殊かもしれませんが、それは他人の生活音に気を使わない環境も意味しますので、隠居にはうってつけかもしれません。

結論から言うと、有名不動産情報サイトで予算内(5万円以下)の戸建て物件を抽出。さらに立地条件や間取りから楽器が弾けそうな物件のみをピックアップして、管理会社に実際の楽器演奏の可否などを問い合わせていきました。

 

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「楽器可」を明示する戸建ては少ない

私が物件に求めた「絶対条件」は、

・家賃5万円以下(生活費を含めた支出を月12万円以下に抑えたいため)

・気がねなく楽器(サックスやギター)が弾ける住環境

の2つです。

 

一言に「 楽器可物件」といっても

(1)防音が施された集合住宅

(2)防音が施されていない集合住宅

(3)間取りや立地環境によって実質的に楽器可の戸建て

 といった種類があります。

 

まず、「(1)防音が施された集合住宅」は家賃が高い傾向があり、5万円以下で見つけることができませんでした。

「(2)防音が施されていない集合住宅」は5万円以下の物件が見つかりましたが、

・周囲の部屋の音がお互いに聞こえる

・音出し可能時間が決まっている 

といった制約があり、絶対条件としていた「気がねなく楽器が弾ける」を満たさないと感じました。

 

そこで消去法的に残ったのが、「(3)間取りや立地環境によって実質的に楽器可の戸建て 」です。「実質的に」というのは、外壁に面さない奥まった部屋があったり、周囲の民家が離れていたりすることで、意図的な防音機能が施されていなくても、近所迷惑にならないということです。

 

ただ、地方の戸建て物件は情報サイトで「楽器相談可」(つまり、ものによっては可能)と表記しながらも、どの程度まで可能なのか、具体的な実情を明示していない場合が多いです。楽器を弾いても大丈夫そうなのに、「楽器相談可」すら表記されてない物件もあります。

これはそもそも、集合住宅と違って戸建ては物音に寛容なので、わざわざ明記する必要がない、といった事情があるのでしょう。しかし私の場合、ギターは音量が小さいので心配なかったのですが、サックスは大音量なので気をつける必要がありました。引っ越し後に苦情が来ても遅いですしね。

 

明らかにサックス演奏が難しいと思われる物件の管理会社に「相談」しても無駄足になるので、めぼしい物件は、間取りだけでなくGoogleマップの衛生写真などで周辺民家との距離を確認し、可能性がある場合だけ問い合わせていきました。

ちなみに私が探した限り、田舎を象徴するような「田園風景のなかにポツンと立つ一軒家」といった物件が見つかったのは北海道くらいでした。他の地域では、例え山間部でも狭い範囲に民家が密集する「集落」に立地するものばかり。物件探しを通じて、伝統的な日本の村の構造が見えてきたのは面白かったです。

 

また、地方で家賃5万円以下の戸建ては珍しくありませんが、「それなりに綺麗で」という条件を求めると、選択肢がだいぶ狭まりました。

関東郊外には綺麗なリノベーション物件が数多くあります。恐らく、人口の多い首都圏都市部からの移住ニーズを見込んでいるのでしょう。一方、関東以外の地域はリノベーション物件が少なく、住むのが不安になるような、「ボロ家」が目立ちました。

 

探しあてた今の物件は、それなりに綺麗。立地は「田園風景のなかにポツンと・・・」ではありませんが、間取りや塀などの構造から音が漏れにくいということで、管理会社から「楽器可」のお墨つきをもらいました。

さすがに、深夜にサックスを吹く野暮な真似はできませんが、ギターを爪弾いたり、歌を口ずさんだりといった程度でしたら、昼夜問わず可能だと思っています。

また、以前住んでいたアパートではスピーカーの音量にも気を使っていたので、好きな音楽を大音量で聴ける今の環境は大変気に入っています。

 

地域を絞らない物件探しは手間

私はとにかく前出の条件さえ満たせれば「場所は全国どこでもいいや」と思っていました。「海がある」「山がある」といった希望もなく。最終的に自然豊富な山麓に住むことになりましたが、それは「家賃5万円以下の楽器可の戸建て」という条件で探すうちにたどり着いた結果に過ぎません。

 

しかし不動産情報サイトの検索システムは基本的に、まず「エリア」や「沿線」を選ぶよう設計されています。大多数の人は、勤務先・通学先が定まるか、希望する移住先を決めてから物件探しに着手するのでしょう。これを人に話すと「当たり前だ。全国どこでも良いと言えるのは君くらい」と笑われるのですが・・・。

 

例えば大手不動産情報サイトのSUUMOで物件を探す場合、最低でも「北海道」や「九州・沖縄」といったブロック単位で地域を限定する必要があります。全部で9ブロックありますので、全国くまなく探すには9回に分けて検索する必要があり、これが結構、手間でした。

 

地域を限定しない物件探しはレアケースかもしれませんが、今後、地方移住の気運が高まった場合、そうした人が増えないとも言い切れない気がします。都市部出身で転勤経験もないなど、地方に縁のない人にとっては「水が合う」地域の見当がつけにくいでしょうし、「知らない場所で暮らしたい」という好奇心旺盛な人も一定数、いるでしょう。そういう人にとっては「住みたい家がある」ことがその地域を選ぶ理由になったとしても不思議ではない気がします。

 

空き家を買うのも選択肢?

戸建てを探し始めた当初、「空き家バンク」などに出されている0〜200万円程度の安価な物件を買うのも選択肢として考えていました。例えば長期間の旅に出る場合、持ち家なら荷物や住民票をそのまま置いておくことができる。安価で状態の悪い建物は補修が必要になると思いますが、それはそれでDIYの延長で楽しめるかな、と考えました。

 

ただ実際探してみると、空き家は結構取引が活発で、好条件のものは直ぐに買い手がついていました。そうした状況だと、売れ残っている物件は「何かあるんじゃないか」と、妙に訝しんでしまったり。

遠方まで物件の下見に行ったとして、建築に素人の私が目利きできる自信もなく、結局、安全策として賃貸を選びました。 

 

「これから無職」でも借りれた

物件探しの際、自分以上に周囲から心配されたのが「これから退職するのに賃貸物件の審査は下りるの?」という問題でした。結論から言うと、在職中に賃貸契約を済ませることで問題なく借りれました。

 

私と管理会社の賃貸契約では、連帯保証人を立てるのではなく、保証会社に料金を支払うことで家賃滞納リスクを保全しています。最近はこのケースが多いようです。

リスクを負うのは管理会社ではなく保証会社なので、保証会社の審査を通過するか否かが焦点になります。管理会社としては空室にしておくより誰かが借りてくれた方が儲かるので、保証会社への審査申し込みには協力的でした。

 

すでに無職になっている場合などは、銀行の残高証明書が求められることもあるそうです。私も念のため用意していたのですが、実際に使うことはありませんでした。