He is reclusive

バンライフ、旅、持病のIBS(過敏性腸症候群)、読んだ本などについて

2021-09-01から1ヶ月間の記事一覧

「死」にまつわる著名医師の冒険的な一生【読書ノート】「人生は廻る輪のように/E・キューブラー・ロス」

人生は廻る輪のように (角川文庫) 作者:エリザベス・キューブラー・ロス KADOKAWA Amazon 「死ぬ瞬間-死とその過程について (中公文庫)」の著者として有名で、ターミナルケア(終末医療)のパイオニア的存在である精神科医、エリザベス・キューブラー・ロス…

苦難の克服は誰かの希望になる【読書ノート】「足よ手よ、僕はまた登る/松田宏也」

足よ手よ、僕はまた登る―再起への五〇〇日 (山渓ノンフィクション・ブックス) 作者:松田 宏也 山と渓谷社 Amazon 中国の高峰・ミニヤコンカでの遭難による凍傷で両手の指のほとんどと両脚の膝から下を失った松田宏也氏が、会社員として社会生活に復帰し、再…

「生きる意味」は問うのではなく問われている【読書ノート】「夜と霧/ヴィクトール・E・フランクル」

夜と霧 新版 作者:ヴィクトール・E・フランクル みすず書房 Amazon ナチスの強制収容所から生還したユダヤ系オーストリア人の精神科医(兼心理学者)が、被収容者としての体験を綴った記録。世界的な名著と評されている。数年前に一度読んだことがあったの…

「一週間腹痛なし」の壁は高い 体の中のソニータイマー

また、つまらぬ下痢をしてしまった・・・。発酵性糖質を避ける「低FODMAP食」を始めてから、私のIBS(過敏性腸症候群)の症状は改善したものの、とりあえずの目標にしている「一週間に一度も下痢をしない」が達成できずにいる。調子の良い時は下痢をしない状…

孤独だと過去を思い出してばかりだが、それも良いかもしれない

人と会わない孤独な生活を始めてから、過去を思い出すことばかりしている。新生活の開始直後は、直近のサラリーマン生活について想起することが多かった。それが徐々に大学時代、高校時代、不登校だった中学時代、果てはそれより前の子供時代の記憶まで遡る…

自分はどっち?両方?【読書ノート】「HSPと発達障害/高田明和」

HSPと発達障害 作者:高田明和 廣済堂出版 Amazon 最近、SNSなどでHSP(High Sensitive Person)という言葉をよく目にする。人ごみや、映画などの暴力表現が苦手だったり、聴覚過敏のきらいがあったりする私もHSPに該当するのではないかと思っていたが、HSPの…

極限状態での「怒り」は活力か【読書ノート】「ミニヤコンカ奇跡の生還/松田宏也」

ミニヤコンカ奇跡の生還 (ヤマケイ文庫) 作者:松田宏也 山と渓谷社 Amazon 1982年、中国の高峰・ミニヤコンカ(標高7,556m)に挑んだ松田宏也氏は、19日間の遭難を経て、奇跡的に生還する。疲労、飢餓、凍傷で生死を彷徨うなかでの幻聴体験などが立花隆氏の…

もはや自己啓発書【読書ノート】「続・死ぬ瞬間/E・キューブラー・ロス」

死、それは成長の最終段階―続 死ぬ瞬間 (中公文庫) 作者:エリザベス キューブラー・ロス 中央公論新社 Amazon 参考になった知識 ・インドのヴェーダ(3,000年前のインド最古の宗教の聖典)から、現代の思想家の言葉にいたるまで、哲学者たちの目的はすべて、…

人の死生観は進歩しているのか【読書ノート】「ソクラテスの弁明・クリトン・パイドン/プラトン」

ソークラテースの弁明・クリトーン・パイドーン (新潮文庫) 作者:プラトーン 新潮社 Amazon 「死」あるいは「自死」がテーマの本を読むと、必ずといっていいほど引用されるのが、古代ギリシアの哲学者プラトンが師・ソクラテスの死について書いた一連の作品…

無職がプロレタリア文学を読んだら【読書ノート】「蟹工船/小林多喜二」

蟹工船・党生活者 (新潮文庫) 作者:多喜二, 小林 新潮社 Amazon 「ドン・キホーテ」に続く、今更読む名作シリーズ。賃金労働者の苦悩と反抗を書いたプロレタリア文学の代表作と評される本作を、無職の私があえて読んでみた。 この手の作品を読むと、「自分な…

今にも通じる17世紀のユーモア【読書ノート】「ドン・キホーテ(短縮版)/セルバンテス」

ドン・キホーテ (岩波少年文庫) 作者:セルバンテス 岩波書店 Amazon 17世紀のスペイン人作家であるミゲル・デ・セルバンテスが書いた「ドン・キホーテ」は「史上最高の文学」と評されるだけあって、今も数多くの本のなかで引用・言及されている。以前読んだ…