He is reclusive

バンライフ、旅、持病のIBS(過敏性腸症候群)、読んだ本などについて

なぜ生きる

ヴォルテール読んでーる【読書ノート】哲学書簡、カンディード、寛容論

18世紀フランスの啓蒙思想家「ヴォルテール」の代表作を立て続けに3冊読んだところ、すっかり啓蒙されてしまった。 哲学書簡 (岩波文庫 赤 518-2) 作者:ヴォルテール 岩波書店 Amazon 「哲学書簡」は、ヴォルテールが亡命先のイギリスで目の当たりにした、祖…

「死」にまつわる著名医師の冒険的な一生【読書ノート】「人生は廻る輪のように/E・キューブラー・ロス」

人生は廻る輪のように (角川文庫) 作者:エリザベス・キューブラー・ロス KADOKAWA Amazon 「死ぬ瞬間-死とその過程について (中公文庫)」の著者として有名で、ターミナルケア(終末医療)のパイオニア的存在である精神科医、エリザベス・キューブラー・ロス…

「生きる意味」は問うのではなく問われている【読書ノート】「夜と霧/ヴィクトール・E・フランクル」

夜と霧 新版 作者:ヴィクトール・E・フランクル みすず書房 Amazon ナチスの強制収容所から生還したユダヤ系オーストリア人の精神科医(兼心理学者)が、被収容者としての体験を綴った記録。世界的な名著と評されている。数年前に一度読んだことがあったの…

もはや自己啓発書【読書ノート】「続・死ぬ瞬間/E・キューブラー・ロス」

死、それは成長の最終段階―続 死ぬ瞬間 (中公文庫) 作者:エリザベス キューブラー・ロス 中央公論新社 Amazon 参考になった知識 ・インドのヴェーダ(3,000年前のインド最古の宗教の聖典)から、現代の思想家の言葉にいたるまで、哲学者たちの目的はすべて、…

人の死生観は進歩しているのか【読書ノート】「ソクラテスの弁明・クリトン・パイドン/プラトン」

ソークラテースの弁明・クリトーン・パイドーン (新潮文庫) 作者:プラトーン 新潮社 Amazon 「死」あるいは「自死」がテーマの本を読むと、必ずといっていいほど引用されるのが、古代ギリシアの哲学者プラトンが師・ソクラテスの死について書いた一連の作品…

超常現象への取材姿勢に感心【読書ノート】「臨死体験/立花隆」

臨死体験(上) (文春文庫) 作者:立花 隆 文藝春秋 Amazon 「臨死体験」とは、事故や病気で危篤に陥った人がしばしば体験する不思議な現象のこと。死んだ先祖や神と会話したという人もいれば、魂が肉体から体外離脱して宇宙を自由に飛び回ったという人もいる…

自分は親を捨てられるか【読書ノート】「楢山節考/深沢七郎」

楢山節考 (新潮文庫) 作者:七郎, 深沢 新潮社 Amazon 日本人の死生観に言及する多くの本で引用されていて、小説としても名作と評価されている。老人を山に捨てにいく「姥捨山(うばすてやま)伝説」を元にした作品で、老婆「おりん」とその家族らが、村でル…

死が迫る人は何を求める【読書ノート】「死ぬ瞬間/E・キューブラー・ロス」

死ぬ瞬間-死とその過程について (中公文庫 (キ5-6)) 作者:エリザベス・キューブラー・ロス 中央公論新社 Amazon 参考になった知識 ・死が目前に迫った人の精神は(1)否認と孤立→(2)怒り→(3)取引(神との交渉)→(4)抑うつ→(5)受容の5段階を経…

死は穢らわしいのか【読書ノート】「納棺夫日記/青木新門」

納棺夫日記 増補改訂版 (文春文庫) 作者:青木 新門 文藝春秋 Amazon 参考になった知識 ・「納棺夫」という言葉は辞書になく、著者が客からそう呼ばれたのを受け入れていくうちに生まれた造語。 ・死体を綺麗にする「湯灌」はかつて、死者の親族が担うものだ…

社会は自死を肯定できるか【読書ノート】「自死という生き方/須原一秀」

自死という生き方 (双葉新書) 作者:須原 一秀 双葉社 Amazon 参考になった知識(著者の主張) ・著者を自死に駆り立てたのは、「平常心で死を受け入れることは本当に可能か?」という仮説を「実証」しようとする研究者魂。 ・三島由紀夫の自死は当時、世間か…

人の死生観は短期間で変わる【読書ノート】「生きる勇気 死ぬ元気/五木寛之 帯津良一」

生きる勇気、死ぬ元気 作者:帯津 良一,五木 寛之 平凡社 Amazon 大変お世話になった高齢の知人が自死を選んだのを知り、高齢者の死生観について考える機会が増えた。私は以前から「人はなぜ生きるのか」といったことを漠然と考えていたが、それは若者特有の…